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2007年4月24日暖冬で札幌の雪融けも例年より早かったのですが、風はまだ冷たく、和子の車椅子散歩は実現していません。以前は寒いと顔をしかめたりしたものですが、今はそんな 自己表現もできないでしょう。彼女に残っているのは聴覚と、相手が誰かを察知する 感覚だけのようです。 この冬で和子が外出したのは、胃瘻交換の時に教え子のクリニックに行った時と、 私の付き添いで手稲の病院に行った時だけです。自己免疫力が落ちているから気をつけるように、とは常に言われているので、無理をしないようにしています。 安倍総理は「戦後レジームからの脱却」とことあるごとに発言しているけれど、私には「レジーム(体制)からの脱却」と称して、ありとあらゆることをやっている気がしてなりません。ほとんどが自民党(党名はいろいろ変わったけれど)が政権与党としてやってきたことです。高度成長のお陰もあって積み上げてきた、福祉・教育・平和・安全・・・あらゆるものをぶちこわしてきているのが肌で感じてわかります。今の高度成長は、「いざなぎ景気」と言われた65年から70年にかけての時とは全く違います。一部の階層にだけ富が集中して、「格差」が今ほど激しくなったのは戦後初めてです。 地球温暖化の勢いがただ事でないことは、京都議定書に調印もしなかったブッシュ 政権も危機感を持ち始めたようで、バイオ燃料をガソリンに2割混入するなどと突如言い始め、食料自給率4割、大豆ととうもろこしは9割をアメリカに依存している日本の大豆・とうもろこしを原料とする製品は値上がりし始めています。 北極圏の氷がどんどん融けているニュース映像は怖ろしいし、南極上空のオゾンホ ールも観測史上最大だとか。オゾン層が少なくなれば、人体に悪影響がある紫外線が 増加し、皮膚癌患者は増加するでしょう。特に欧米人に。 今年はアメリカの生物学者レイチェル・カーソンの生誕100年の年です。 カーソンはアメリカ内務省の水産生物学者として自然科学を研究、1960年代に当時州当局が積極的に散布していたDDTなどの合成化学物質の蓄積が環境悪化を招くことを指摘しました。彼女が1962年に発表した『沈黙の春』は、農薬類の問題を告発した書として米国政府にまでその衝撃が伝わったそうです。
と解説書に書いてあります。カーソンは、この『沈黙の春』を書いたワシントン郊外の自宅で、56歳で亡くなっています。たしか癌だったと思います。 地球の環境汚染が危機的な状況にあると言われるこの頃、私は彼女のことを思い出します。 今度の統一地方選挙で、高レベル放射性廃棄物最終処分場の立地調査を受け入れた高知県の東洋町は、反対派の町長が当選しました。日本中の放射性廃棄物の最終処分場を受け入れて、莫大な財政赤字を解消しようと前の町長は考えたようですが、
と文献にあります。広大なアメリカ大陸のど真ん中に最終処分場を作るのとは話が違 います。4枚の地球プレートがせめぎ合い、狭い国土の殆どが断層に覆われている狭い日本で、最初から「トイレ無きマンション」と言われてきた日本の原発の放射性廃棄物はどうなるのかと怖ろしくなります。青森県の六ヶ所村に作った広大な一時保管施設はやがて満杯になるでしょう。 |
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