介護日記

 

 2003年3月9日

 北海道は真冬日が続きます。札幌の中央区の市街地にあるこのマンションの周りの歩道も雪に覆われたままです。襟裳岬がすっぽりと流氷に覆われた飛行機からの写真を新聞で見ました。10数年ぶりのことだそうですが、かつて浦河に5年いた私の記憶にもありません。沿岸の昆布漁にまた被害が出るでしょう。道東は大雪の便りだし、春がくるのはもう少し先になりそうです。

 ご心配かけたかと思いますが、やっとインターネットがつながりました。マンションの内部の電話線の配線にトラブルがあり、電話も10日間不通でした。そして私のノートパソコンから新しい中古のデスクトップにデータを全部移し変えるのにも時間がかかりました。ボランティアで来てくださったITエンジニアの方が2度の週末に時間を割いてくださって、昨日から使えるようになりました。マンションの前の電柱まで光ケーブルで、そのあとの引き込みから部屋までは同軸ケーブルです。接続が今までとは比較にならない速さです。まだデスクトップのキーボードに慣れていないのですが、少しずつ書いていきます。

 和子が退院してここでの生活が始まったのが先月20日ですから、もう2週間余りです。去年の11月22日以来ほぼ寝たままの生活だったので、筋力の低下は著しく、足の太さも半分ぐらいになりました。もとの病気の進行もあるのでしょう。手足の拘縮・麻痺も進んでいて、ナースによるリハビリが始まったばかりです。嚥下のリハビリも始まっているのですが、まだ誤嚥があって食べ物や飲み物を口からとることはできません。胃瘻チューブからの経腸栄養が続いています。
 一番の問題は痰の吸引です。ほとんどベッドにいるので、そのせいでもあるのでしょう。痰がからんだとき、吸引できるのは医師かナースか私なので、一日に何度も、夜中でも時々起きて取ってやります。吸引機は医療器具なので介護保険のリースの対象にはなっていません。重度医療の申請が通ったので、市の補助を受けて買うことになっている吸引機がまだきていません。今は診療所用のを借りています。

 私の主治医はJR手稲駅前の総合病院にいる教え子の心臓血管専門医Nになってもらいました。ここに移って毎日和子の傍にいて、精神的なストレスは全くないし、寒い日は買い物に行かなければ寒さのアタックもありません。先日病院に行ったとき、彼と相談して薬の種類と量を減らしました。

 24時間そばにいて彼女を見ていると、病気が進んだのかなあとも思うけれど、でも彼女は顔色はいいし、ナースやヘルパーの顔をしっかり見つめたり、回を重ねると明らかに相手を識別できます。痰の吸引と経腸栄養と嚥下リハビリ・体のリハビリを続けながら春を待ちます。

 メールアドレスが下記に変わりました。これからはこのアドレスでメールをください。ホームページのアドレスは変わりません。

新メールアドレス chuta.goto@jcom.home.ne.jp

介護日記目次   戻る   ホーム   進む