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インフルエンザ始末記 その後

 「道内の新患5,337人、インフルエンザ1週間で急増」と16日の夕刊に出ました。”始末記”は和子と私について書いたのですが、世間ではそれどころではないようです。
 ホームでの接種費用一人2,000円(2回分)はホームの側で負担してくれました。ワクチン接種は現行は自由価格ですから、ロスも利益も見込まないで済む、ホームの診療所の仕入れ原価が安いのは当然だと思います。

 インフルエンザ・ワクチンは1回で十分というのが世界の大勢のようです。ちょっと計算して見ました。高齢者と幼児のうち、本人や親が希望した場合だけ、例えば2,000万人に税金で接種したと仮定すると、1,000円×2,000万人=200億円です。
 これは
去年の”お買い物券7,000億円”のたった35分の1です。そして現行価格での計算です。大量に生産すれば単価が下がるのは常識的な市場原理でしょう。

 幼児がインフルエンザから脳炎を併発して死亡したニュースも報じられています。この経済大国で、こんなことがどうして出来ないのでしょう??
 

 感想欄に載った「4人家族で毎年2万円」という現実は、人の命が「自由競争のもとに放り出されている」としか私には思えません
 去年書いたけれど、あの自由競争社会の元祖のアメリカでさえ、65歳以上は全額国庫負担です。

 文部省の天文衛星「アストロE」の打ち上げが失敗して、184億円が空の藻屑と消えました。私は自然科学徒の端くれだから、日本が平和的な科学技術の分野で先進国になることに文句は無いけれど、やはりその前に「人の命の方が先だ」という気がしてなりません。
 感想欄に載った『あのお金で何が出来たか』という本を去年本屋さんで立ち読みしました。やはり
財源の問題ではなく、この国の政治に「人の命を大切にする思想」があるのだろうかという疑問です。 

 

                    2000.2.19